元NHK
報道局 スポーツ
報道センター
経理職員

A:2005年4月、現役職員だった頃の懺悔(週間文春) B:2005年8月、受信料乱費の実態(月刊現代)

 

AAAAAA

1. 年200億円の公印2. 初めて不正経理に
気づいたとき〜
自らの不正経理
3. 不正の中身と、
私の 懺悔

■初めて不正経理に気づいたときから自らの不正経理■

私が始めて不正な経理処理の存在に気付いたのは、大阪局の経理部の一年目、
1991年のことです。官官接待ならぬ、NN接待とでもいえばいいのでしょうか。
大阪局の人が東京の本局の人と飲んでいたのを、銀行の方と飲んでいたと記入
して経理処理していたんです。私は毎日その銀行の方と取引をしていたので、
何の気なしに「先週、うちの上司と食事にいったでしょう?」と尋ねると、「いや、
行っていません。いつも私の名前を使っているみたいです」と言われました。
私もその時は、「まあ、そういうこともあるよな」と軽く思っただけでした。

その翌年、大阪局の2年目に私は大阪局の経理部から、大阪局放送センター
編成総務の、報道とスポーツの経理担当になります。NHKのシステムでいう
と、「経理の経理」をする立場から「現場の経理」をする立場になった。つまり、
経理部では、「現場の経理」が請求してくる「何をどのくらい必要だ」という請求
を審査する立場だったのが、今度は、「何をどのくらい必要だ」と決めて請求する
立場になったのです。

異動の初日に一番驚いたのが、私の机の引き出しに部長と副部長の決定印が入って
いたことでした。まだ高卒7年目、25歳の私がこんなことを全部決めていいのだろ
うか、と思いましたが、前任者から「これは君が全部決定すること
になるから」と言われました。以来、昨年の夏までの12年間ずっと私は決定印を与え
られてきました。自分の出張も自分で決済できるような、ズサンな経理システムの中で
仕事をしてきました。
実際に仕事を始めると、まずタクシーチケットの使い方が滅茶苦茶でした。
泥酔して書いたのか、まったく読めないものや、何で仕事でこんなにかかるん
だろう、という高額のものがたくさんあった。
放送記念品もあまりに管理がズサンでした。テレフォンカード、ビール券
ボールペン、図書カードなど色々ありますが、用途を詳しく書く習慣はまったく
なかった「ビール券を取材協力者への謝礼用に50枚ください」と要求が来たら、
「はい、どうぞ」と出していた。誰に、何の取材で渡った行ったのか、厳格に
チェックをしていないんです。とにかく、性善説に基づいたシステムで、やろうと
思えば、いつでも、誰でも、好きなだけ不正ができる状態でした。『NHK広報局は、
放送記念品について、《当然、管理体制はあります》と答えた。だが、他の複数の現役
職員は、《確かに管理体制はあるが、連絡先まで書くわけではなく不正をしようと
思えばできる》と証言している』。

  テレホンカード偽造問題の取材トラブルで、約50万円をポルトガル人の経営
する会社に振り込んでキックバックさせたこともありました。私自身が伝票を起票
したのでよく覚えている。大阪放送局の報道番組ディレクターだった
Aさんは、1993年に、「クローズアップ現代」で、当時問題だった
イラン人犯罪グループの偽造テレカ問題を取材していました。Aさんは「自分は
テレカ偽造機を買いたいんだ」と言って偽造集団に接近していった。その成り行きで
実際に偽造機を買わざるを得なくなり、約36万円で買ってしまった。この36万円も
あくまで自己申告で、もちろん領収証などありません。正規の経理処理で落ちる
わけはありませんから、当時の彼の上司であるBさんから「立花
君、何とかしてやってくれ」と言われました。そこで、通訳としてAさんと行動していた
ポルトガル人の会社に約50万円を振り込み、そこからAさんに約36万円
をキックバックさせるようにした。もちろん、Aさんが熱心に取材をしていた
結果、起こったことではあります。ただ、私がやった処理は、明らかに不適切
であり、こんな経理処理が簡単にできてしまう体質が、磯野事件を生むべきして
生んだのだ
と、今では思っています。
{小詩取材班はAさんにこの件を聞いた。《誰から聞いたんだよ?誰かが言うと
問題になる。広報を通さないと駄目なんだ》Bさんは、キックバックの件を
切り出した途端、《記憶がないから》を連発し、逃げ出してしまった。
追いすがってさらに聞くと《僕はあんまり記憶がないから。僕も疲れてるん
だから、そういうことにしてくださいよ。悪いけどさー》と言うと、自宅に
消えて行った。『NHK広報局の回答《12年前のことで、当時の記録が
残っていない上、関係者の証言にも食い違いが多く、テレカ偽造機を購入
した事実があったかどうか確認できません。尚、テレカ偽造機を番組に
使った事実はありません。》}

また、プロ野球のキャンプ取材ではこんなこともありました。西武ライオンズ
が高知県の春野でキャンプをしていた頃のことです。スポーツ報道センター
の記者であったCさんが、松坂大輔選手にプレゼントしたと
偽って、自宅と上司であるDさんの家に
高知の名産品(かつおのたたき)を送っていたんです。経理局で問題になり、
担当者が、業者に電話で送り先を確認したところ、CさんとDさんの自宅や
実家の住所だと分かったんです。
{Cさんを直撃した。《そんなのは・・・・・・ちょっとぉ・・・・・いや。
特に、記憶にないですねぇ。う〜ん。それは終わってますからね・・・・》
『NHK広報局の回答《2001年の西武ライオンズのキャンプ取材をした
職員が、取材先に高知の名産品を送ったとして経理処理しようとしたところ
、実際には、自分の実家や上司の自宅に名産品を送っていたことが当時の
経理審査で発覚したのは事実です。取材先として使われた名義は、
ご指摘のような松財大輔選手ら西武ライオンズの関係者ではありません。
名産品の購入費と送料の全額約5万円は、本人に負担させました。あわせて、
本人と上司二人に対し、当時の報道局長が厳重注意しました。その上で、
本人と上司二人に対し昇給を遅らせる人事措置をとりました》』}
額の多寡はさておき、やっていることは詐欺行為です。NHKは、
このような経理処理をしようとする公金意識のない人が、普通に働いて
いける組織なのです。もちろん私自身も同罪です。

上司(故 大久保建男さん)がいいホテルに泊まれるよう手配し、長い間
無駄な経費を処理し続けてきたのは私です。NHKの仲間同士での飲食で、
経費を使って美味しいものを食べたことも何度もある。もちろん職場での
親睦を深めることも必要ですし、全部が全部ダメではないと思います。
ですが、不適切な経理で何十万円もの裏金を即座に作れたり、子供ような
嘘で、自宅に名産品を送れたりするような組織は、やはり異常でしょうし、
市民感覚と明らかにかけ離れている。私は、病気で職場を離れたことで、
少し普通の感覚が戻ってきたように感じています。

  では、裏金はなぜ必要なのか。そして、どのように作られるか。私の
経験からお話しします。
  私は2002年ソルトレーク五輪の現地経理担当でした。大会期間中は、
現地でバング・オブ・アメリカにNHKの口座を作り、お金の管理を引き受
けていました。そこで恥ずかしながら、約300万円の裏金を作りました。

金はビッグイベントではどうしても必要になる。当時は罪悪感もありません
でした。スタッフはあれだけのハードな仕事をこなすのですから、ガス抜きが
必要だと考えていました。NHK職員の名誉のために申し上げますが、ほとん
どのスタッフは、非常に熱心に、寝る間も惜しんで仕事をしています。ただ、
仕事後にはビールを飲みたがる人だって当然いるし、たまには飲み会や打ち上げ
も必要でしょう。でもNHKでは、半年前から必要な分のホテルや弁当などは
すでに発注してしまっているので、それ以上の飲食費に関してはかなり面倒な
事務処理が必要になる。しかも、NHKの経理では、レシートが出せる店では
必ずレシートを提出しなくてはならない。レシートにビールと印字されては
経理局で通用しませんから、裏金が必要なんです。
また現地で通訳やドライバーを雇うのですが、彼らには領収証をもらう習慣
がない。だから彼らに飲食代やガソリン代を渡すのも、裏金から、ていう
ことが多かった。
裏金作りの方法は大きく分けて3つです。
ひとつは五輪の入場券を売る。NHKが持っている余った入場券を売るのです。
ソルトレーク五輪の時は開会式が1枚300ドル程度だったと記憶しています。
それらを現地スタッフに売る。それを彼らは親戚や友達に売る。そうすれば
裏金はすぐに作れます。私自身も現地の通訳の方に実際に売っていました。
もうひとつはホテルを売る。VIP用にはいい部屋を取ってあるのですが、
役員の皆さんは開会式だけ、というパターンも多い。その後、ずっと空いている
部屋を一泊いくらで売る。現地のコーディネーターなどに声をかければ、宿が
必要な人はすぐ見つかります。3つ目は、現地で国内線のチケットを買い、領収証
だけ取ってキャンセルする。
1998年に開かれたバンコクのアジア大会でも私は現地経理担当でしたが、
ほぼ同じ事をやっていました。
アテネ五輪では、こんなことがありました。昨年7月に磯野事件が発覚
したため、7月末に、私とスポーツ報道センター長のEさん
アテネの現地経理担当の女性職員の三人で、約一時間に
及ぶ議論をしたんです。その結果Eさんが「今はこういう時期だから、
今回は正規の経理処理だけでいこう」という方針を決めました。逆に
言えば、その前までは、裏金など当たり前だったということです。
正式に経理に届ける名目と実際の用途が違うことは、他にも多々ありました。
でも私は、これは経理局に出しにくいから裏金にしているだけで、結局は
いい番組作りのために使われているお金なのだと、思い込んでいたのです。
{Eさんに裏金の存在について確認を求めると、《ノーコメントだし、広報
を通してください》とのことであった。『NHK広報の回答《裏金の存在
については事実ではありません》』}

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