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■不正の中身と私の懺悔■
NHKでは非常によく盗難が起きます。局内でも、パソコンが何度も盗ま
れている。あるNHK幹部は《NHKに泥棒がいるのじゃ
ない。泥棒がNHKの職員をしているんだ》と言ってたくらいです。
昨年、甲府局の職員が備品のパソコンを盗んでネットで販売していたと
して逮捕されましたが、氷山の一角です。また、局内だけではなく、
海外取材でもNHK取材陣はよく盗難にあっています。それ自体は、犯人が
悪いわけですから取材班が責められるべきではありません。問題はその後の
処理です。NHKでは、何百万の機材が盗まれようが、警察には届けない
こともあります。被害届けを出せば、自分の部署の不始末になり、出世に
響くため隠そうとするのではないか。表ざたになれば会計検査院のチェック
を受けることにもつながるし、「皆様の受信料を盗まれやがって!」とバッシング
が起こるかもしれない。いいことは何もありませんから。
ですが、会計検査院法第27条には、「会計検査院の検査を受ける会計経理
に関して左の事実があるときは、本属長官又は監督官庁その他これに準ずる
責任のある者は、直ちに、その旨を会計検査院に報告しなければならない。
一 会計に関係のある犯罪が発見したとき
二 現金、有価証券その他の財産の亡失を発見したとき」
と書いてあるのですから、明確に法律に違反している。
たとえば、2002年のソルトレーク五輪のとき、ニュースを受ける東京の
側で大問題になったことがありました。数百万円もする高価なレンタル
の編集機を盗まれたのです。最終的にどう処理したかは定かではありま
せんが、いずれにせよ、会計検査院に報告したという話は聞いていません。
この経緯からNHKは、アテネ五輪での機材の搬入、搬出時には警備
をつけるようになりました。
{当時の五輪事務局長であったFさんに聞くと、《申し上げる
ことはできません。広報を通して下さい》の一点張りであった。『NHK
広報局の回答《2002年ソルトレーク五輪の時に、東京の放送センター
内に設けられた臨時作業室から、編集機と映像モニターが盗まれたのは
事実です。NHKとしては、当時、約120万円分の被害届を警察に出しています。
また、ソルトレーク五輪で盗難にあった編集機および映像モニターについては、
事件当時は会計検査院には報告していませんでしたが、昨年の不祥事以降、
管理体制を強化するとともに、会計検査院への報告については厳格に運用
しており、この件についても状況報告はしています》会計検査院に聞くと、
《盗難の場合は口頭ではなく公文章による報告がなければならないのですが、
ソルトレーク五輪の件に関してはNHKから報告は来ていません》
1998年のフランスワールドカップのときには、NHKが借りたホテルで盗難
事件があった。部屋の金庫から当時の取材班のデスクの一人、
Gさんが約30万円相当の現金を盗まれたんです。正直に東京
サイドに報告したところ、対応できない、と言われたそうです。そのときは、
私の前任でスポーツ報道センターの経理担当だったHさんが処理
しました。NHKの持っていたチケットを現地で売ったお金で処理したと
Hさんから聞きました。
{Hさんを直撃したところ、慌てた様子で、《[早口で]いや、あのちょっと
ごめんなさい、あんまり記憶がないんですよ、私も。あんまり記憶がないんです》
NHK広報局の回答《職員の個人の所持金10万円が、現地ホテルの部屋から
盗まれたため、現地の警察に被害届を出しています。私的な被害なので
チケットを売って補填した事実はありません》}
2003年のウィンブルドンテニスでも盗難事件がありました。現地で約90万円
相当のコピー機や机、椅子などが盗まれたのです。相手はプロの窃盗団だった
ようでNHKがレンタルしていたモノを回収しに来た業者の振りをして、まんまと
運び去ったのです。当時の報道局長のIさん
に報告がいったのですが、Iさんはスポーツ報道センターのJ
企画制作部長と報道局総務部のK担当部長に「スポーツ
のほうで何とかしろ」と言ったそうです。これを私はJさんから
直接聞かされました。
{Iさんを直撃すると、《それはちっょと即答できないですね。そんなこと
あったかな・・・・・なんか、そういうようなのを、聞いたような感じも、
記憶にないわけじゃないけど》との返事であった。Jさんにも話を聞こうと再三
訪問したが、取材することは出来なかった。NHK広報局の回答《2003年の
ウィンブルドンでおよそ90万円相当の備品が盗難の被害にあったのは
事実です。大会会場内に設けられていた国際放送センターから、NHKが
使っていたコピー機と机・いすが盗まれたものです。NHKとして国際放送
センターを管理する主催者に抗議するとともに、地元警察に被害届を出しました。
報道局長が[スポーツで何とかしろ]といった事実はなく、逆に当初[管理に
過失があれば弁済させるように]と指示していました。また2003年の
ウィンブルドンでの盗難は短期間のレンタル品であることから、会計検査院
には報告義務はなく報告していません》}
盗難に関しても、悪いのはもちろん盗んだ側ですが、こちらにも落ち度
があったことは否めません。いずれにせよ、公金を預かって仕事をしている
わけですから、それを盗られてしまったのなら、きちんと視聴者の皆さまに
公表し、会計検査院にも報告すべきだったと今では思います。そうすることで
職員の公金意識も高まるし、「盗まれても裏金で何とかできる」という安易な
考えもなくなるはずです。
今回の私の告発を、うつ病で精神的に参ってしまった職員の暴走だと噂して、
何とか妨害しようとする人も局内にはいるようです。でももちろんそれは事実
ではありません。私は18年間仕事をしてきたNHKが大好きですし、
公共放送は絶対に必要なものだと信じています。ただ、信頼を回復するには、
職員ひとりひとりがまず謝って、ザンゲして、完全に膿を出し切る必要が
あるとおもうのです。
私は、この告発によって、特定の職員の個人攻撃をしたいわけでは全く
ありません。私があえて実例を示すことで皆様にお伝えしたかったのは、
NHKの経理システムがいかにズサンで、また一方では実態とかけ離れて
厳しすぎるかということです。それゆえ、不適切な経理処理が発生し、
不正の温床になっているのです。
橋本新体制のもとで、こうした視聴者を裏切る行為が根絶することを
切望してやみません。もちろん、不適切な経理処理を率先してやってきた
自分への罰を受ける覚悟はできています。
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